
OEMのサンプルから量産までの流れ|中国工場で失敗しない進め方
中国工場でOEM商品を作るときの、サンプル依頼から量産・出荷までの流れを解説します。サンプルの種類、仕様書と合格基準の決め方、量産前サンプルの承認、生産中と出荷…
日本語のパッケージと自社ブランドでも、中国製と分かる表示と日本の連絡先を入れる
日本語のパッケージに日本の会社名とブランドロゴだけを印刷した中国製の商品は、それだけで「日本製」と受け取られるおそれがあります。景品表示法に基づく原産国の告示は、外国で作られた商品で、表示の全部や主な部分が日本語で書かれ、どこで作られたか消費者が見分けにくいものを、不当な表示の一つとして挙げています。OEMで自社ブランドの商品を作るとき、パッケージのデザインは売れ行きだけでなく、こうした表示のルールにも関わります。
読み終えたら、自社のOEM商品のパッケージに原産国をどう書くか、家庭用品品質表示法の対象かどうか、表示者として誰の名前と連絡先を入れるかを決め、工場に渡す版下の確認項目を作れるはずです。内容は消費者庁の告示とQ&A、ジェトロの解説(2025年8月更新)で確認したものです。
ECプランニングは、中国からの仕入れ・OEMから日々のEC運営業務までを一貫して支援する会社です。中国現地の工場やサプライヤーとの直接交渉を代行し、品質基準の共有を含めた継続的な管理を行います。
商品登録やページ制作、広告運用、在庫管理、カスタマーサポートまで、提案にとどまらず自ら手を動かして現場のオペレーションを回す実務力を強みとしています。運営代行やご相談内容の整理など、お気軽にお問い合わせください。
中国の工場で成形・縫製・組み立てをした商品は、デザインや企画を日本で行っていても、原則として中国が原産国です。
消費者庁が公開している景品表示法の告示「商品の原産国に関する不当な表示」(昭和48年公正取引委員会告示第34号)では、原産国を、その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国と定めています。品目ごとに何が実質的な変更にあたるかは、告示の運用細則で決められています。
日本で行うのが企画、デザイン、検品、袋詰めだけであれば、商品の中身を作ったのは中国の工場です。日本で最終の検品やラベル貼りをしても、それだけで日本製にはならないと考えてください。迷う工程がある場合は、運用細則を確認するか、消費者庁や都道府県の表示担当窓口に問い合わせます。
告示では、外国で生産された商品について、原産国以外の国の事業者の名称や商標の表示、表示の全部や主な部分が日本語で書かれている表示で、消費者が原産国を見分けにくいものを不当な表示としています。日本企業のOEM商品は、日本の会社名と日本語の説明が並ぶため、この条件に近くなりがちです。
ジェトロの解説では、日本でデザインして中国で生産したアパレルやアクセサリーに「Licensed by Japan」と書くと、原産地が日本だと誤解させる可能性があると例を挙げています。関税法では、原産地を偽ったり誤認させたりする表示がある外国の貨物は輸入できないとされており、表示の問題は販売前の通関の段階でも起こりえます。パッケージの目に入る位置に「中国製」「原産国:中国」と書いておけば、こうした誤解を避けられます。
家庭用品品質表示法の対象品目であれば、日本語で品質に関する事項を表示し、日本国内の事業者を表示者として名称と連絡先を付ける必要があります。
OEMの場合は、発注した自社と工場のどちらの名前を入れるかを、量産の前に決めておきます。
家庭用品品質表示法の対象は、施行令の別表で、繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具、雑貨工業品の4つに分けて列挙されています。たとえば衣服やタオル、プラスチック製の台所用品やバケツ、電気掃除機、かばんや靴、机や椅子などで、それぞれに条件が付いています。
大分類に入りそうでも、列挙された品目と条件に当てはまらなければ対象外です。逆に、雑貨だと思っていた商品が対象に入っていることもあります。表示する項目(素材、取り扱い上の注意など)は品目ごとの表示規程で決まっています。規程は改正されることがあるため、消費者庁が公開している最新の規程で確かめてください。
消費者庁のQ&Aでは、製造業者と販売業者(輸入業者、卸売業者、小売業者など)のどちらが表示者になるべきかという問いに対し、消費者からの問い合わせや行政の立入検査に適切に対応できる者であればいずれでも構わず、当事者で決める必要があると答えています。
中国の工場の名前を表示者にしても、日本の消費者からの問い合わせには応じられません。自社ブランドで販売するOEMでは、発注した自社か、輸入を担う日本の会社を表示者にするのが実務上の選び方になります。
輸入品を国内の消費者に販売する場合、Q&Aでは、法定の表示事項を日本語で適正に表示し、日本国内に営業拠点のある事業者の情報を日本語で付けるよう求めています。法人の名称は登記上の正式名称で、「株式会社」を「(株)」と略すことはできます。
連絡先は住所か電話番号で示します。住所は日本語で都道府県名から書き、電話番号は市外局番から省略せずに書きます。FAXや携帯電話の番号、メールアドレス、ホームページのURL、QRコードは、住所や電話番号の代わりになりません。
同じQ&Aでは、インターネット上の表示は広告の一種とみなされ、表示の義務はないとしつつ、同じ表示事項を載せることが望ましいとしています。表示が必要なのは、消費者に販売する時点の商品そのものです。
とはいえ、通販の買い手は届くまで商品を手に取れません。素材や取り扱い上の注意、原産国を商品ページにも書いておけば、届いてから「思っていたものと違う」という返品を減らせます。
表示の誤りを防ぐには、パッケージの版下を日本側で作り、印刷前と量産後の2回、表示の内容を確認する流れにします。
次の順番で準備します。1. 商品が家庭用品品質表示法などの対象かを確かめ、必要な表示項目を一覧にします。2. 原産国の表記と、表示者の名称・連絡先の文言を決めます。3. パッケージやラベルの版下を日本側のデザイナーが作ります。4. 版下と一緒に、表示項目の一覧を中国語でも工場に渡します。
工場に日本語の文字を組んでもらうと、似た字形の漢字への置き換えや、半角と全角の混在が起きやすくなります。文字は日本側で作ったデータをそのまま使ってもらい、工場には「文字を打ち直さない」と伝えておきます。
工場から印刷見本や校正の写真が届いたら、色や位置に加えて、原産国の表記、表示者の名称と住所または電話番号、素材や注意書きの文言を一字ずつ版下と照らし合わせます。数字の誤りは特に見落としやすい部分です。
校正で直した点は、修正前と修正後の画像を並べて工場に返し、承認した版を記録に残します。次のロットで古い版が使われるのを防げます。
出荷前の検品では、商品の外観や機能に目が向きがちです。検品基準書に「パッケージとラベルの表示が承認済みの版と一致しているか」を1項目として入れ、抜き取った商品で確かめてもらいます。
表示の誤りが日本に着いてから見つかると、貼り直しや詰め替えの作業が国内で発生します。中国の工場の段階で止められれば、手直しは現地の工程で済みます。
まずは、いま販売しているOEM商品のパッケージを1つ手に取り、原産国の表示が目に入る位置にあるか、表示者として日本の会社名と住所または電話番号が書かれているかを確かめてみてください。どちらかが欠けていれば、次のロットの版下を直すところから始められます。
ECプランニングは、中国OEM製造支援として、工場との仕様やパッケージのすり合わせから量産、輸入、販売までを一貫して支援しています。中国現地工場との直接交渉にも対応します。表示のルールは品目ごとに異なり、改正もあるため、最新の内容は消費者庁など所管官庁で確認してください。
A.原産国は商品の内容に実質的な変更をもたらす行為が行われた国で決まるため、中国の工場で製造したなら原則として中国です。日本での企画やデザイン、検品だけでは日本製にはなりません。
A.家庭用品品質表示法は原産国の表示を義務付けていません。ただし景品表示法の告示では、外国製品に日本の会社名や日本語の表示を使って原産国が分かりにくくなるものを不当表示としているため、「中国製」と表示しておくのが安全です。
A.消費者庁のQ&Aでは、問い合わせや立入検査に適切に対応できる者であればどちらでもよく、当事者で決めるとしています。輸入品は日本国内に拠点のある事業者の情報を付けるため、自社ブランドのOEMなら、発注した日本の会社を表示者にすると問い合わせに応じやすくなります。
A.メールアドレス、ホームページのURL、QRコードは、住所または電話番号の代わりになりません。電話番号を書く場合も、FAXや携帯電話の番号は認められていません。