
中国輸入の OEM 開発における代行業者の役割とは?利用メリット・見極め方
中国輸入を活用した OEM 開発をご検討中の事業責任者へ向けて、代行業者の役割や利用する利点、自社に合う優良な業者を見極めるポイントについて解説します。トラブル…
「サンプルは良かったのに量産品が違う」を防ぐ。承認と検品の進め方を手順で整理
中国の工場でオリジナル商品を作るとき、多くの担当者が経験するのが「サンプルは良かったのに、届いた量産品は色や寸法が違っていた」という問題です。サンプルは工場の熟練者が少数を丁寧に作ることが多く、量産では材料の調達先や作業者、設備が変わるため、同じ品質が自動的に再現されるとは限りません。
この差を小さくするには、サンプルの段階から量産を見据えて基準を決め、承認と検品の手順を踏むことが大切です。この記事では、OEMのサンプル依頼から量産、出荷までの流れを順番に整理し、各段階で決めておきたいことと確認のポイントを解説します。
ECプランニングは、中国からの仕入れ・OEMから日々のEC運営業務までを一貫して支援する会社です。中国現地の工場やサプライヤーとの直接交渉を代行し、品質基準の共有を含めた継続的な管理を行います。
商品登録やページ制作、広告運用、在庫管理、カスタマーサポートまで、提案にとどまらず自ら手を動かして現場のオペレーションを回す実務力を強みとしています。運営代行やご相談内容の整理など、お気軽にお問い合わせください。
OEMの量産までの流れは、サンプルで品質を確かめ、仕様と条件を文書で合意し、量産前サンプルを承認してから生産に入るという順番で進めるのが基本です。
まずは全体の流れと、各段階で使われるサンプルの種類を整理しておきましょう。
OEMとは、発注者のブランドで販売する商品を、他社の工場に製造してもらう方法のことです。中国工場でのOEMは、次の5段階で進むのが一般的です。1. 複数の工場にサンプルを依頼し、実物で比較します。2. 仕様書を作り、単価、最小ロット、納期、支払条件、不良品の扱いを合意します。3. 量産前サンプルを確認し、承認します。4. 量産を行い、材料と生産中の品質を確認します。5. 出荷前に検品し、合格したものを出荷・輸入します。
段階を飛ばすと、そのしわ寄せは後の工程に出ます。特に2と3を省略して、サンプルの写真だけで量産を始めるのは避けましょう。
OEMで扱うサンプルには、いくつかの種類があります。工場が持っている既製品をそのまま送る現物サンプル、発注者の仕様に合わせて作る試作サンプル、量産と同じ材料と工程で作る量産前サンプルなどです。名称は工場によって異なるため、どのサンプルを依頼しているのかを毎回はっきり伝えることが大切です。
それぞれ役割が違います。現物サンプルは工場の技術力を見るため、試作サンプルは仕様を固めるため、量産前サンプルは量産品の基準を決めるために使います。
サンプルの作り直しや、材料の調達、工場の繁忙期などによって、日程は想定より延びることがよくあります。中国では春節(旧正月)の前後に工場が長く休むため、その時期をまたぐ計画では特に注意が必要です。
販売開始日から逆算し、サンプルの修正が複数回あることを前提に日程を組みましょう。各段階の期間は商品や工場によって大きく異なるため、工場に確認したうえで計画に反映します。
サンプル段階で最も大切なのは、実物を確認しながら、量産で守ってもらう基準を仕様書として文書に落とし込むことです。
サンプルが良くても、基準が文書になっていなければ、量産で同じ品質を求める根拠がなくなります。
写真や動画だけでは、素材の手触り、色の見え方、縫製や組み立ての精度、においなどは分かりません。費用や送料がかかっても、サンプルは実物を取り寄せて確認しましょう。複数の工場に依頼して比べると、品質と対応の違いが見えやすくなります。
また、送られてきたサンプルが本当にその工場で作られたものかも確認が必要です。JETROの資料でも、サンプルだけで判断せず、工場の現場や工程を確認することが勧められています。
仕様書とは、量産品が満たすべき条件をまとめた書類のことです。素材と材料の指定、色(色見本や色番号)、寸法と許容差、重量、印刷やロゴの位置、付属品、包装の仕様、ラベルの表示内容などを書きます。
「きれいに」「しっかり」といった表現では、工場との認識がずれます。寸法は「±何ミリまで」、色は「承認した色見本との比較」のように、判断できる形で書きましょう。中国語の「以上」はその数を含まない意味で使われることがあるため、境界の数を含むかどうかも明記しておくと安心です。
サンプルで品質を確認できたら、単価、最小ロット、納期、支払条件、不良品が出た場合の交換や返金の方法を合意します。あわせて、図面やデザインの秘密を守る秘密保持契約も、この段階までに結んでおきましょう。
材料を勝手に安いものに変えられないよう、材料の仕様と変更時の事前承認も契約に入れておくことが大切です。条件は口頭やチャットだけで済ませず、契約書や発注書にまとめて残します。
量産の品質を決めるのは、量産直前に承認する量産前サンプルであり、承認した基準品をもとに量産中の確認を行います。
承認から量産、生産中の確認までの進め方を見ていきましょう。
量産前サンプルとは、量産で使う材料、設備、工程で作ったサンプルのことです。試作サンプルとは作り方が違うため、仕様書どおりにできているかを改めて確認します。
承認したサンプルは、発注者と工場の双方で保管し、量産品と比べる基準品にします。サインや日付を書いたラベルを付け、写真も残しておくと、後で認識の違いが出たときに確認しやすくなります。
量産が始まる前に、材料や部品が仕様どおりかを確認します。材料が変わると、見た目が同じでも耐久性や手触りが変わることがあるためです。
生産が始まったら、初期に作られた製品を確認し、問題があれば早めに修正を依頼します。量産の途中で不良が見つかれば、手直しや作り直しの量を抑えられます。現地に行けない場合は、写真や動画での報告を求めるか、第三者の検品会社に依頼する方法があります。
生産中に問題が見つかった場合は、次の順番で進めると話がまとまりやすくなります。1. 不良の内容を写真と数量で工場に伝えます。2. 工場に原因と対策を提案してもらいます。3. 発注者が対策を確認し、受け入れるかどうかを決めます。4. 工場が対策を実施します。5. 発注者が改善の結果を確認します。
原因が分からないまま「次は気をつけます」で終わらせると、同じ不良が繰り返されます。原因と対策を文書で残すことが大切です。
出荷前検品は、量産品が承認した基準品と仕様書を満たしているかを、出荷前に確かめる最後の機会です。
検品の方法と、不良品が出たときの取り決めを整理しておきましょう。
検品には、すべての製品を確認する全数検品と、一部を無作為に取り出して確認する抜き取り検品があります。抜き取り検品では、AQL(合格品質限界)と呼ばれる基準を使い、ロットの数量に応じて確認する個数と、不合格とする不良の数を決める方法がよく使われます。
どちらの方法で、誰が、どの基準で検品するのかを、発注前に工場と合意しておきましょう。検品を工場任せにすると、基準が甘くなりやすい点にも注意が必要です。
出荷前検品は、製品の大部分が完成し、梱包が進んだ段階で行うのが一般的です。数量、外観、寸法、機能、梱包、ラベル表示などを、仕様書と基準品に照らして確認します。
支払条件とも関係します。残金の支払いを出荷前検品の合格後にしておくと、不良が見つかったときに工場と交渉しやすくなります。初めて取引する工場では、初回の発注数を抑えることも選択肢です。
不良品が見つかった場合に、交換、手直し、返金、作り直しのどれで対応するのか、その費用と送料を誰が負担するのかを、契約で決めておきます。検品に不合格となったときの再検品の費用を工場負担とする取り決めも有効です。
日本に届いてから不良が見つかると、返送の費用や時間がかかり、販売計画にも影響します。出荷前に問題を見つけて解決することが、結果としてコストと日程の両方を守ることにつながります。
OEMのサンプルから量産までは、サンプルで品質を確かめ、仕様書で基準を文書にし、量産前サンプルを承認してから生産に入り、生産中と出荷前に確認するという流れで進めるのが基本です。サンプルの出来だけで判断せず、基準と手順を工場と共有しておくことが、量産品の品質と納期を守ることにつながります。
ECプランニング株式会社では、中国OEM製造支援と中国工場交渉支援を行っています。中国現地工場との直接交渉を通じて、サンプルの確認から仕様のすり合わせ、量産、検品、輸入、販売までを一貫して支援しています。オリジナル商品の開発をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
A.サンプルは少数を熟練者が丁寧に作ることが多く、量産では材料の調達先や作業者、設備が変わるためです。仕様書で基準を数値にし、量産前サンプルを承認してから量産に入ることで、差を小さくできます。
A.量産で使う材料、設備、工程で作ったサンプルのことです。承認したものを発注者と工場の双方で保管し、量産品を比べる基準品として使います。
A.素材、色、寸法と許容差、重量、ロゴや印刷の位置、付属品、包装、ラベルの表示内容などを書きます。判断が分かれないよう、できるだけ数値や色見本で示しましょう。
A.現地に行けない場合は、写真や動画での報告を求めるほか、第三者の検品会社や現地に拠点のある代行業者に依頼する方法があります。誰がどの基準で検品するかを、発注前に工場と合意しておくことが大切です。