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OEM・商品開発

中国の商標登録とOEM|冒認出願を防ぐ手順と2027年改正商標法の要点

中国でOEM生産するなら、ブランドは自社名義で先に出願して守る

中国の工場にOEMで商品を作ってもらうと、自社のロゴやブランド名を工場に渡し、パッケージや製品に入れてもらうことになります。ところが、日本で商標を登録していても、その権利は中国では効力がありません。中国で商標を出願していないまま取引を進めると、第三者や取引に関わった相手に先に出願され、自社の商品を中国から出荷するときに支障が出るおそれがあります。

この記事では、中国でOEM生産をする企業の担当者に向けて、中国の商標制度の基本、冒認出願のリスク、出願の手順と区分の選び方、そして2026年6月に可決され2027年1月1日に施行される改正商標法のポイントを整理します。法律の細かな解釈ではなく、ブランドを守るために「いつ、何を、どの名義で出願するか」を判断するための実務の目安としてお使いください。

中国輸入からEC運営まで一貫支援するECプランニング

ECプランニングは、中国からの仕入れ・OEMから日々のEC運営業務までを一貫して支援する会社です。中国現地の工場やサプライヤーとの直接交渉を代行し、品質基準の共有を含めた継続的な管理を行います。

商品登録やページ制作、広告運用、在庫管理、カスタマーサポートまで、提案にとどまらず自ら手を動かして現場のオペレーションを回す実務力を強みとしています。運営代行やご相談内容の整理など、お気軽にお問い合わせください。

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中国の商標制度の基本とOEMで出願が必要な理由

中国でOEM生産をするなら、自社のブランドは中国でも自社名義で商標を出願しておく必要があります。

日本の商標登録だけでは足りない理由を、中国の制度の特徴から確認しましょう。

商標登録とは:属地主義と先願主義

商標登録とは、商品やサービスに付ける名称やロゴを国に登録し、その国で独占して使える権利を得る手続きのことです。商標権は国ごとに成立する「属地主義」の権利なので、日本で登録した商標は中国では効力を持ちません。

また、中国は先に出願した人に登録を認める「先願主義」を採用しています。JETROの資料では、中国では未登録の商標に対する法的な保護は非常に限られているとされています。日本で長く使ってきたブランドであっても、中国で先に他人が出願して登録されると、その商標を中国で使うことが権利の侵害とみなされるおそれがあります。

OEMで商標が問題になる場面

OEMでは、販売先が日本だけであっても、商品の製造と出荷は中国で行われます。自社のブランドを付けた商品を中国から輸出する場面でも、中国の商標権との関係が問題になり得ます。

JETROの初級者向けマニュアルでも、日本語の商標が付いた商品を中国でOEM製造して輸出する場合は、その日本語商標を中国で取得することを検討すべきとされています。取引先の工場や販売代理店、ブランドを知った第三者が先に出願する「冒認出願」は珍しくないため、工場に図案やロゴデータを渡す前に、自社の出願を済ませておくことが理想です。

出願人は必ず自社にする

中国での手続きを工場や現地の取引先に任せると、出願人が取引先の名義になってしまうことがあります。出願人が他社名義の場合、取引をやめたときにブランドを使えなくなったり、権利の譲渡に費用を求められたりする原因になります。

出願人は日本の自社(委託者)とし、代理人は中国の商標代理機構や日本の特許事務所を通じて選ぶのが基本です。OEM契約書にも、ロゴやブランドの権利が委託者にあること、工場が無断で出願しないことを定めておきましょう。

中国で商標を出願する手順と費用の目安

中国での商標出願は、事前調査、出願方法の選択、区分と商標の決定、出願と審査という順で進めます。

それぞれの段階で判断するポイントを整理します。

出願までの流れ

1. 中国で使う商標(ローマ字、カタカナ、漢字、ロゴ)と、付ける商品を洗い出します。2. 中国国家知識産権局のデータベースで、同じ商標や似た商標がすでに出願・登録されていないかを調べます。3. 直接出願かマドプロ出願かを決めます。4. 中国の商品区分表に沿って指定商品を決め、出願します。5. 審査と公告を経て、異議申立がなければ登録されます。

JETROの初級者向けマニュアル(2020年1月時点の情報)では、拒絶や異議申立がない場合、出願から登録までおおむね9〜12か月が目安とされています。量産のスケジュールが決まる前に、出願だけは先に済ませておくと安心です。

直接出願とマドプロ出願の違い

中国への出願方法には、中国国家知識産権局へ直接出願する方法と、マドリッド協定議定書(マドプロ)にもとづく国際出願で中国を指定する方法があります。マドプロは日本の出願・登録を基礎に複数の国へまとめて出願できる仕組みです。

ただし、JETROの資料では、マドプロでも中国では直接出願と同様の審査が行われ、権利化までに時間がかかる場合があること(12〜18か月程度が目安)、権利を行使するときに追加の手続きが必要になることが指摘されています。中国での権利行使を重視する場合は直接出願、複数国にまとめて出願したい場合はマドプロというように、目的に合わせて選びましょう。

費用の目安と権利の期間

同じマニュアルでは、官庁手数料は1商標・1区分あたり300元(電子出願は270元)、代理人の手数料は約2,000元が目安とされています(2020年1月時点)。区分の数や商標の数に応じて費用は増えるため、出願する範囲は予算と相談しながら決めます。

登録された商標権の存続期間は登録の公告日から10年で、更新することができます。手数料や代理人費用は改定されることがあるため、出願前に最新の金額を代理人に確認してください。

冒認出願を防ぐための区分と商標の選び方

冒認出願を防ぐには、実際に作る商品だけでなく周辺の商品まで含めて区分を選び、漢字の商標もあわせて出願することが有効です。

どこまで出願するかは、事業の計画と予算に合わせて決めます。

指定商品は中国の区分表に沿って選ぶ

中国では、商品とサービスを国際分類の「区分」で分け、さらに区分の中を「類似群」という細かいグループに分けて審査します。日本で指定した商品の表記をそのまま使うと、中国の区分表にない表現として補正を求められることがあるため、中国の区分表に沿って選ぶことが推奨されています。

JETROの資料では、指定商品は実際の事業より関連度の高い範囲まで適度に広げることが勧められています。たとえばバッグをOEMで作る場合、バッグだけでなく財布や小物など、同じブランドで展開しそうな商品も検討しておくと、将来の商品展開を妨げられにくくなります。

漢字の商標もあわせて出願する

中国では、ローマ字やカタカナのブランド名が、現地で漢字の呼び名に置き換えられて広まることがあります。自社が漢字の商標を出願していないと、その呼び名を第三者に先に出願されてしまうおそれがあります。

JETROの資料でも、日本語や英語の商標に加えて漢字の商標を出願することが勧められています。中国での販売を予定していない場合でも、製品やパッケージに入れる表記と、取引先とのやり取りで使っている呼び名は、出願の候補として洗い出しておきましょう。

国名を含む商標と出願前の確認

「●●JAPAN」のように国名を含む商標は、中国では外国の国名を含むとして拒絶される場合があるとされています。ブランド名にこうした語を含める場合は、出願前に代理人へ登録できる見込みを確認しておくと、手戻りを防げます。

あわせて、出願前の調査では指定商品を広めに設定して似た商標を検索し、すでに先行する出願がないかを確認します。もし似た商標が先に出願されていた場合は、ブランド名の変更も含めて早めに判断することが大切です。

2027年1月施行の改正商標法で押さえたいこと

2026年6月26日に可決された中国の改正商標法は2027年1月1日に施行され、悪意の出願への規制が強まる一方で、登録した商標を実際に使うことがより重視されます。

OEMでブランドを守る立場から、影響の大きい点を確認します。

使用目的のない出願と悪意の出願への規制

改正法では、使用を目的とせず、通常の生産や経営の必要を明らかに超える出願は登録を認めないことが定められ、悪意の出願には行政処罰が科される場合があると規定されました。冒認出願に悩む権利者にとっては、対抗しやすくなる方向の改正です。

一方で、自社の出願も「使う予定がある」ことが前提になります。区分を広げる場合も、商品展開の計画にもとづいた範囲にとどめ、なぜその商品を指定したのかを説明できるようにしておくとよいでしょう。

不使用商標の職権取消と使用の記録

改正法では、正当な理由なく3年間続けて使われていない登録商標を、国家知識産権局が職権で取り消せる制度が新設されました。また、インターネット上での使用も商標の使用に含まれることが明記されています。

OEM商品の場合、中国で販売していなくても、製品やパッケージへの表示、発注書や契約書、輸出の書類などが使用の記録になり得ます。どの資料が使用の証拠として認められるかは個別に判断されるため、日付の分かる形で記録を保存し、代理人に確認しておきましょう。

異議申立期間の短縮と監視の体制

改正法では、初歩審査の決定が公告されたあとに異議を申し立てられる期間が、3か月から2か月に短縮されました。第三者が自社のブランドに似た商標を出願した場合、気づいてから対応できる時間が短くなります。

自社のブランドに似た出願がないかを定期的に確認する「ウォッチング」を代理人に依頼しておくと、公告に気づかず期間を過ぎてしまうリスクを減らせます。施行に向けて実施条例や審査基準が整備される可能性があるため、最新情報は中国国家知識産権局やJETROの情報で確認してください。

中国でOEM生産をするなら、ブランドの商標は自社名義で、工場にロゴやデザインを渡す前に出願しておくことが基本です。出願は直接出願かマドプロかを目的に合わせて選び、指定商品は中国の区分表に沿って周辺の商品まで、表記はローマ字やカタカナに加えて漢字まで検討します。2027年1月1日に施行される改正商標法では、使用目的のない出願が規制され、使っていない商標は職権で取り消される可能性があるため、登録後の使用の記録も計画的に残しましょう。

商標の出願や権利の判断は、中国の商標実務に詳しい弁理士や代理人に相談し、法令の最新情報は所管官庁で確認してください。ECプランニングでは、中国現地工場との直接交渉を通じて、OEM契約での権利の取り決めから仕様のすり合わせ、量産の立ち上げまで、仕入れから運営まで一貫して支援しています。

お問い合わせはこちらお電話:04-2000-2903

【Q&A】中国の商標登録についてよくある質問

Q1.日本で商標登録していれば中国でも守られますか?

A.守られません。商標権は国ごとに成立する権利のため、中国で保護を受けるには中国で出願して登録する必要があります。

Q2.中国で販売しない場合でも中国で商標登録は必要ですか?

A.中国でOEM製造して輸出する場合も、中国の商標権との関係が問題になり得るため、出願を検討することがすすめられています。特に工場や取引先にブランドを開示する前に出願しておくと、冒認出願のリスクを減らせます。

Q3.中国の商標登録にはどのくらいの期間がかかりますか?

A.JETROの資料では、直接出願で拒絶や異議申立がない場合、出願から登録まで9〜12か月程度が目安とされています。マドプロによる出願は、それより時間がかかる場合があります。

Q4.工場に中国での商標出願を任せてもよいですか?

A.出願人が工場の名義になると、取引をやめたときにブランドを使えなくなるおそれがあるため、出願人は必ず自社にしましょう。手続きは中国の商標代理機構や日本の特許事務所に依頼するのが一般的です。

Q5.中国の改正商標法はいつから施行されますか?

A.2026年6月26日に可決された改正商標法は、2027年1月1日に施行されます。異議申立期間の短縮や、使用していない商標の職権取消などが盛り込まれているため、最新の運用は専門家や所管官庁の情報で確認してください。

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