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OEM・商品開発

AQLとは?抜き取り検査の基準の決め方|中国工場の出荷前検品での使い方

ロットサイズ・検査水準・欠点の区分を決め、AQLで合否の線を工場と共有する

中国の工場でOEM商品を量産すると、数千個単位の製品が一度に出荷されます。すべてを一つずつ確認する全数検品は時間と費用がかかるため、実務では一部を取り出して確認する抜き取り検査が広く使われています。ところが、何個を取り出し、何個までの不良なら合格とするのかを決めないまま検品を依頼すると、検品会社や工場との間で判断が食い違い、出荷の可否でもめる原因になります。

この記事では、抜き取り検査の基準として国際的に使われているAQLの考え方と、実際にサンプル数と合否の判定個数を決める手順を解説します。欠点の分け方、商品に合わせたAQL値の選び方、中国工場と事前に合意しておく事項、不合格になったときの進め方まで、OEMの担当者がそのまま使える形で整理しました。

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ECプランニングは、中国からの仕入れ・OEMから日々のEC運営業務までを一貫して支援する会社です。中国現地の工場やサプライヤーとの直接交渉を代行し、品質基準の共有を含めた継続的な管理を行います。

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AQLとは何か:抜き取り検査の基本

AQLとは、抜き取り検査で「このロットを受け入れてよいか」を判断するための品質の基準値であり、取り出す個数と許容する不良の個数を、統計的な表にもとづいて客観的に決めるための仕組みです。

まずは抜き取り検査の考え方と、AQLを使う意味を確認しておきましょう。

抜き取り検査とAQLの関係

抜き取り検査とは、ロット(同じ条件で生産された製品のまとまり)の中から決められた数のサンプルを無作為に取り出して検査し、その結果からロット全体の合否を判定する方法です。全数検品に比べて時間と費用を抑えられる一方、何個を検査し、何個の不良までなら合格とするかのルールが欠かせません。

そのルールを決める物差しがAQLです。AQLは、ISO 2859-1という計数値抜き取り検査の国際規格で使われる考え方で、日本ではこれに対応するJIS Z 9015-1があります。米国の規格であるANSI/ASQ Z1.4も同じ考え方の表を持っており、中国の工場や検品会社とのやり取りでも、AQLの数値を伝えれば共通の基準で話を進めることができます。

AQL値は「不良率の上限」そのものではない

AQL2.5と聞くと「2.5%までの不良なら出荷してよい」という意味に受け取られがちですが、実際の合否はAQL値をサンプル数に掛けて決めるわけではありません。サンプル数と合格判定個数は、規格の抜き取り表から読み取ります。

また、抜き取り検査はあくまで一部を見てロット全体を推定する方法なので、合格したロットにも一定の不良品が含まれる可能性は残ります。AQLは「どこまでの品質水準を受け入れるか」を売り手と買い手で共有するための基準であり、不良品をゼロにする仕組みではないことを理解しておきましょう。

全数検品との使い分け

抜き取り検査が向いているのは、生産数量が多く、一定の品質が安定して作られている商品です。一方、単価が高い商品や、一つの不良が安全上の問題や大きなクレームにつながる商品、初回生産で品質がまだ安定していない商品では、全数検品や、抜き取り検査の後に重要項目だけを全数確認する方法も検討します。

検品の種類や現地・国内での検品の違いについては、中国輸入の検品について解説した別の記事もあわせてご覧ください。本記事では、抜き取り検査の基準をどう決めるかに絞って説明します。

サンプル数と合格判定個数の決め方

抜き取り検査の基準は、ロットサイズと検査水準からサンプル文字を求め、サンプル文字からサンプル数を、サンプル数とAQL値から合格判定個数と不合格判定個数を読み取る、という順番で決まります。

具体的な手順と、数字の読み方の例を見ていきましょう。

検査水準とは

検査水準とは、ロットサイズに対してどれくらいの数のサンプルを取るかの段階のことです。通常検査水準にはI・II・IIIの3段階があり、IよりIIIのほうがサンプル数が多く、検査が厳しくなります。このほかに、検査の費用や破壊検査などの事情でサンプルを少なくしたい場合に使う特別検査水準(S-1〜S-4)があります。

多くの消費財の出荷前検品では、通常検査水準IIが標準として使われています。特別検査水準は、寸法の測定や機能試験のように手間のかかる項目に限って使うなど、検査項目ごとに使い分けるのが一般的です。

抜き取り表の読み方の手順

抜き取り表は、次の手順で読みます。1. 検品するロットの総数(ロットサイズ)を確認します。2. ロットサイズと検査水準から、サンプル文字(アルファベット)を求めます。3. サンプル文字に対応するサンプル数を確認します。4. サンプル数と設定したAQL値が交わる欄から、合格判定個数(Ac)と不合格判定個数(Re)を読み取ります。

検査で見つかった不良の数が合格判定個数以下であればロットは合格、不合格判定個数以上であれば不合格です。この判定は、致命欠点・重欠点・軽欠点のそれぞれについて行い、どれか一つでも不合格になればロット全体が不合格と扱うのが一般的です。

7,000個のロットでの計算例

たとえば7,000個のロットを通常検査水準IIで検品する場合、ロットサイズは3,201〜10,000個の区分に入り、サンプル文字はL、サンプル数は200個になります。重欠点のAQLを2.5とすると合格判定個数は10個・不合格判定個数は11個、軽欠点のAQLを4.0とすると合格判定個数は14個・不合格判定個数は15個です。

つまり、200個を検査して重欠点が10個以下、軽欠点が14個以下で、致命欠点が1つもなければ合格となります。数値は規格の抜き取り表(なみ検査・1回抜き取り方式)にもとづく代表的な例です。実際に使うときは、規格票や検品会社が使う表で、自社のロットサイズと条件にあてはめて確認してください。

欠点の分け方とAQL値の選び方

AQL値を決める前に、不良の内容を致命欠点・重欠点・軽欠点の3つに分けて定義することが、抜き取り検査を正しく機能させるための前提です。

欠点の定義があいまいなままでは、同じ製品を見ても検査員によって判定が変わってしまいます。

致命欠点・重欠点・軽欠点の定義

致命欠点とは、使用者のけがや事故につながるおそれがある不良や、法令に違反する状態のことです。たとえば鋭利なバリ、電気製品の絶縁不良、必要な表示の欠落などがこれにあたります。重欠点とは、製品として使えない、または販売できない不良のことで、ファスナーが閉まらない、部品が欠けている、本体が割れているといった状態です。

軽欠点とは、使用には支障がなく、多くの購入者が気にしない程度の外観上の不良のことで、目立たない位置の小さなキズやわずかな色ムラなどが該当します。どの不良をどの区分に入れるかは、商品ごとに具体例と写真を添えて一覧にしておくと、工場や検品会社と認識をそろえやすくなります。

一般的なAQL値の組み合わせ

一般的な消費財では、致命欠点は0(1つでも見つかれば不合格)、重欠点は2.5、軽欠点は4.0という組み合わせがよく使われています。まずはこの組み合わせを出発点として、商品の特性に合わせて調整すると考えやすいでしょう。

電気製品や子ども向けの商品など、不良が安全やクレームに直結しやすい商品では、重欠点のAQLを1.0や1.5など、より厳しい値に設定することがあります。反対に、販売価格が低く、外観の多少のばらつきが許容される商品では、軽欠点の基準を緩めることも考えられます。

販売チャネルの基準から逆算する

AQL値を決めるときは、販売先で求められる品質から逆算することも大切です。ECモールでは、不良品による返品や低評価のレビューが続くと、商品ページの評価や店舗の運営に影響します。返品やクレームの記録がある場合は、どのような不良が多いかを確認し、その項目を重欠点として扱うかどうかを検討しましょう。

AQL値を厳しくするほど、工場の手直しや検品の費用が増え、単価や納期に影響することもあります。品質と費用のバランスを考え、検査項目ごとに必要な厳しさを決めることがポイントです。

中国工場と合意しておくことと運用の進め方

AQLを使った抜き取り検査を機能させるには、検査の基準と不合格時の扱いを発注前に工場と書面で合意し、検品のたびに記録を残して基準を見直していくことが欠かせません。

量産が始まってから基準を持ち出しても、工場の協力は得にくくなります。

発注前に書面で決める項目

発注書や品質に関する取り決めには、使う規格とAQL値、検査水準、致命欠点・重欠点・軽欠点の定義と具体例、検査項目(外観・寸法・機能・梱包・表示など)、検品の時期と場所を記載しておきます。承認した量産前サンプルを基準品として、工場と自社の双方で保管しておくことも重要です。

中国の工場とのやり取りでは、日本語の基準書をそのまま渡すのではなく、中国語に訳し、写真や図を添えて誤解の余地をなくしておくと安心です。工場側の担当者が交代しても基準が引き継がれるよう、文書として残しておきましょう。

不合格になったときの進め方

抜き取り検査で不合格になった場合は、次の手順で対応します。1. 検品レポートで不良の内容・個数・写真を確認します。2. 不良の原因と、工場が全数選別や手直しをできるかを確認します。3. 手直しの方法と完了の期限を決めます。4. 手直し後に再検品を行い、合格を確認してから出荷します。

再検品にかかる費用をどちらが負担するか、納期が遅れた場合にどう扱うかは、トラブルになりやすい点です。発注前の段階で、不合格時の再検品の費用は工場負担とするなど、取り決めておくことをおすすめします。

検品結果を記録して基準を見直す

検品レポートは、ロットごとに保管し、不良の種類と発生数を集計しておきます。同じ不良が繰り返し出る場合は、工場に原因の対策を求めるとともに、検査項目や欠点の区分を見直すきっかけにします。

品質が安定している工場では検査水準を下げて費用を抑え、不良が増えている工場では検査水準を上げるなど、実績に合わせて運用を調整することもできます。規格にはこうした厳しさの切り替えの考え方も定められているため、詳細は規格票や検品会社に確認しながら進めてください。

AQLとは、抜き取り検査でロットの合否を判断するための品質の基準値です。ロットサイズと検査水準からサンプル数を求め、欠点の区分ごとに設定したAQL値から合格判定個数を読み取ることで、検品会社や中国の工場と同じ物差しで品質を判断できるようになります。欠点の定義、AQL値、不合格時の対応を発注前に書面で合意し、検品の記録をもとに基準を見直していくことが、安定した品質のOEM商品を販売し続けるための土台になります。

ECプランニングは、中国OEM製造支援や中国工場交渉支援を通じて、中国現地工場との直接交渉による品質基準のすり合わせから、仕入れ、モールでの運営まで一貫して支援しています。検品基準づくりや工場との取り決めにお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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【Q&A】AQLと抜き取り検査に関するQ&A

Q1.AQLとは何ですか?

A.AQL(Acceptance Quality Limit:合格品質限界)とは、抜き取り検査でロットを合格とするかどうかを判断するための品質の基準値です。ISO 2859-1(日本ではJIS Z 9015-1)の抜き取り表とあわせて使い、サンプル数と許容する不良の個数を決めます。

Q2.AQL2.5は不良率2.5%まで許容するという意味ですか?

A.AQL値をサンプル数に掛けて許容個数を出すわけではありません。合格判定個数はサンプル数とAQL値から抜き取り表で読み取ります。たとえば通常検査水準IIで200個を検査する場合、AQL2.5の合格判定個数は10個です。

Q3.検査水準はどれを選べばよいですか?

A.多くの消費財の出荷前検品では、通常検査水準IIが標準として使われています。不良の影響が大きい商品では水準を上げ、手間のかかる測定や試験の項目では特別検査水準を使うなど、項目ごとに使い分けます。

Q4.致命欠点・重欠点・軽欠点のAQLはいくつに設定するのが一般的ですか?

A.一般的な消費財では、致命欠点0、重欠点2.5、軽欠点4.0という組み合わせがよく使われます。電気製品や子ども向けの商品などでは、重欠点をより厳しい値にすることがあります。

Q5.抜き取り検査で不合格になったらどうすればよいですか?

A.検品レポートで不良の内容を確認し、工場に全数選別や手直しを依頼したうえで、再検品して合格を確認してから出荷します。再検品の費用負担や納期遅れの扱いは、発注前に取り決めておきましょう。

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