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中国輸入

中国の仕入れ先への支払い、どの方法を選ぶ?送金・L/C・前払いのリスクの減らし方

前払いで代金を失わないために。支払方法の違いと、送金前に確かめること

初めて取引する中国の工場から「生産前に代金の30%、出荷前に残り70%を送金してください」と請求書が届く。中国から仕入れる企業の担当者にとって、よくある場面です。前払いで送金した代金は、相手が商品を出荷しなかったり、品質の悪い商品を送ってきたりしても、取り戻すのは簡単ではありません。

読み終えたときに、取引の段階と金額に合わせて支払方法を選び、送金前に何を確かめるかを決められるようにまとめました。ジェトロの貿易Q&A(2025年7月更新)とIPAのビジネスメール詐欺の事例集をもとにしています。

中国輸入からEC運営まで一貫支援するECプランニング

ECプランニングは、中国からの仕入れ・OEMから日々のEC運営業務までを一貫して支援する会社です。中国現地の工場やサプライヤーとの直接交渉を代行し、品質基準の共有を含めた継続的な管理を行います。

商品登録やページ制作、広告運用、在庫管理、カスタマーサポートまで、提案にとどまらず自ら手を動かして現場のオペレーションを回す実務力を強みとしています。運営代行やご相談内容の整理など、お気軽にお問い合わせください。

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中国の仕入れ先に使われる支払方法と、それぞれのリスク

中国からの仕入れで使われる支払方法は、主に銀行送金(T/T)、L/C、D/P・D/Aの3種類で、誰がどの時点でリスクを負うかが異なります。

銀行送金(T/T)は手続きが簡単だが、前払いなら輸入者が危ない

T/T送金とは、輸入者が取り決めた期日に、自社の銀行から相手の銀行口座へ代金を振り込む方法です。書類のやり取りが少なく、小口の取引でも使いやすいため、中国の工場や卸との取引で最もよく使われます。

ただし、送金を出荷の前にするか後にするかで、リスクを負う側が逆になります。ジェトロの貿易Q&Aは、前払いでは商品が届かないリスクを輸入者が、後払いでは代金を回収できないリスクを輸出者が負うと説明しています。中国の仕入れ先は、取引の浅い相手には前払いを求めることが多いため、輸入者の側が身を守る工夫をする必要があります。

L/C(信用状)は銀行が支払いを約束する

L/Cとは、輸入者の取引銀行が、決められた船積書類がそろっていれば輸出者に代金を支払うと約束する書類のことです。輸出者は銀行の支払約束を得られ、輸入者は船積みを示す書類が出るまで代金が出ていかないため、双方のリスクが下がります。

その反面、銀行の審査や手数料、書類の不一致があったときの手直しが必要になります。数十万円の小口の仕入れでは見合わないことが多く、まとまった金額の継続取引や、相手の信用を確かめにくい取引で検討する方法です。

D/P・D/Aは輸出者の負担が大きく、仕入れ先に断られやすい

D/P・D/Aとは、輸出者が船積書類と為替手形を銀行経由で輸入者に送り、輸入者が支払う(D/P)か、手形の支払いを引き受ける(D/A)と書類を受け取れる方法です。銀行は支払いを約束しません。

ジェトロのQ&Aでは、輸出者から見たリスクはL/C、D/P・D/A、T/Tの順に高くなるとされています。輸出者の側に回収の不安が残るため、取引実績のない中国の仕入れ先がこの方法を受けることはあまりありません。輸入者は、支払方法ごとに相手が負うリスクも理解したうえで条件を交渉すると、話がまとまりやすくなります。

初回取引で前払いを求められたときの交渉と確認

初回取引の前払いは、相手の信用を確かめられた場合に限って受け入れ、確かめられない場合は金額と払い方で損失の上限を決めておきます。

相手の信用を確かめる

ジェトロのQ&A「輸入代金前払決済のリスク回避策」は、財務内容が分かる上場企業や、知っている担当者がいる相手であれば前払いも検討できる一方、信用を確認できない相手への前払いはリスクが大きすぎると述べています。

工場の営業許可証(営業執照)の社名と、請求書・契約書の社名、振込先口座の名義が一致しているかを見ます。工場を訪問できない場合は、第三者の工場監査や、オンラインでの工場内の確認を取り入れる方法もあります。名義が違う口座を指定されたら、その理由を書面で確かめてから送金します。

分割払いで、払う時点ごとに確認を入れる

海外の調達支援サイトの解説では、生産前に30%を手付金として送金し、出荷前に残りの70%を払う形が一般的な例として挙げられています。この形でも、残金の送金前に出荷前検品を入れれば、検品で不良が見つかったときに出荷を止めて手直しを求められます。

取引額が大きい場合は、船積み後に船荷証券(B/L)の写しを受け取ってから残金を払う形を交渉する余地もあります。初回は少額の発注から始め、前払いの金額そのものを小さくします。ジェトロのQ&Aも、相手が詐欺だった場合に払った前金を取り戻すのは難しいとして、少額の取引から始めることを勧めています。

銀行の保証状や保険を使う

金額が大きいのに前払いを求められる場合、ジェトロのQ&Aは、輸出者の取引銀行が発行する前受金返還保証状(商品が届かなければ前払金を返す保証)を求める方法や、日本貿易保険(NEXI)の前払輸入保険を挙げています。

前払輸入保険を使うには、保険利用者コードの取得や、相手先が海外商社名簿に登録されていることなどが必要で、相手の格付けによっては引き受けられません。手続きの条件はNEXIの最新の案内で確認してください。

代金と一緒に決めておく条件

支払条件は、インコタームズ(FOB・CIFなどの貿易条件)や検品、不良品の扱いと切り離せません。たとえば「出荷前検品で不合格なら残金を払わず再生産を求める」と発注書に書いておけば、残金が交渉の材料になります。

見積もりの通貨(人民元か米ドルか)と、送金手数料をどちらが負担するかも、発注前に書面で決めます。決めずに送ると、相手の口座に届く金額が請求額より少なくなり、不足分の請求でやり取りが増えます。

振込先口座の変更依頼にどう備えるか

取引先を名乗って振込先口座の変更を求めるメールは、送金の直前に届くことが多く、電話など別の経路で確かめれば防げます。

実際に起きているビジネスメール詐欺の手口

ビジネスメール詐欺とは、取引先や自社の役員になりすましたメールで、偽の口座に代金を振り込ませる詐欺のことです。IPAの事例集(2024年5月更新)には、偽造した銀行口座の証明書類を添えて振込先の変更を求めた事例や、取引先のメールアカウントが乗っ取られ、本物のアドレスから変更依頼が届いた事例が載っています。

見覚えのあるアドレスから届いたから安全、とは言えません。海外の調達支援サイトも、銀行口座の情報を書き換えた請求書で多くの輸入者がだまされていると注意を促しています。

社内で決めておく送金のルール

対策の基本は、振込先が変わったときの確かめ方を先に決めておくことです。次の順で運用すると、担当者が一人で判断せずに済みます。

1. 取引の開始時に、仕入れ先の口座情報を契約書や工場の正式な書類で受け取り、社内の台帳に登録します。2. 口座の変更を伝えるメールが届いたら、メールに書かれた番号ではなく、台帳に登録してある電話番号やチャットで本人に確認します。3. 確認が取れるまでは送金しません。4. 誤って送金したと気づいたら、すぐに自社の銀行に連絡し、送金先の銀行での支払い停止を依頼します。IPAの事例集には、銀行と協力して偽口座への送金を止められた事例もあります。

送金のたびに残しておく記録

トラブルが起きたとき、手元の記録が少ないと、銀行への相談も相手との交渉も進みません。発注書、相手が発行した請求書(PI)、送金の控え、口座情報を受け取ったメールやチャットの画面を、発注ごとに一つのフォルダにまとめて保存します。

チャットアプリだけでやり取りしていると、担当者の交代や端末の買い替えで履歴が消えることがあります。口座情報や支払条件のように後から確かめる必要がある内容は、PDFやメールでも受け取っておくと安心です。記録は手間ですが、損失を防ぐ最後の手段になります。

次の発注の前に、取引中の仕入れ先ごとに「いくらを、どの時点で払っているか」と「口座の名義が契約相手と同じか」を一覧にしてみてください。前払いの金額が大きい相手や、名義が違う口座が見つかれば、そこから支払条件を見直せます。

ECプランニングは、中国輸入代行と中国OEM製造支援を通じて、仕入れ先の選定から支払条件の交渉、検品、輸送の手配まで一貫して支援しています。中国現地工場との直接交渉にも対応しますので、初めての取引で支払方法に迷ったときはご相談ください。外為法上の手続きや保険の条件は、日本銀行やNEXIなど所管機関の最新情報もあわせて確認してください。

お問い合わせはこちらお電話:04-2000-2903

【Q&A】中国の仕入れ先への支払いに関するQ&A

Q1.中国の工場に前払いを求められたら断るべきですか?

A.前払い自体は中国との取引では珍しくなく、断ると取引が始まらないこともあります。相手の信用を確かめたうえで、初回は少額の発注にし、生産前と出荷前などに分けて払う形を交渉すると、損失の上限を抑えられます。

Q2.T/T送金とL/Cはどちらが安全ですか?

A.輸入者にとっては、船積書類がそろうまで銀行が代金を払わないL/Cの方が前払いのリスクは小さくなります。ただし手数料や書類の手間がかかるため、小口の取引ではT/T送金に分割払いや検品を組み合わせる方法が現実的です。

Q3.30%・70%の分割払いでは、残金をいつ払えばよいですか?

A.一般的には出荷前に残金を払いますが、その前に出荷前検品を入れて合格を確かめてから送金すると、不良品が出荷されるのを防げます。取引額が大きければ、船荷証券(B/L)の写しを受け取った後に払う形を交渉する余地もあります。

Q4.仕入れ先から振込先口座の変更を連絡されたら、どうすればよいですか?

A.メールに書かれた連絡先ではなく、以前から登録している電話番号やチャットで本人に確認し、確認が取れるまで送金しないでください。本物の取引先のアドレスが乗っ取られて変更依頼が送られる事例もあります。

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