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中国輸入

インコタームズとは?FOB・CIF・DDPの違いと中国輸入での選び方

同じ単価でも条件が違えば総額が変わる。FOB・CIF・DDPの分かれ目を整理

中国の工場や仕入れ先から見積もりを取ると、単価の横に「FOB上海」「CIF東京」「DDP」といった記号が書かれていることがあります。これはインコタームズと呼ばれる貿易条件で、運賃や保険料、通関の手間を売主と買主のどちらが負担するのか、そして輸送中の事故の責任がどこで入れ替わるのかを示しています。

条件の意味を理解しないまま単価だけを比べると、「安いと思った見積もりが、送料と通関費用を足したら一番高かった」ということが起こります。この記事では、インコタームズの基本、中国輸入でよく使われるFOB・CIF・EXW・DDPの違い、日本の輸入時の税金との関係、条件を選ぶときの考え方を解説します。

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インコタームズとは?貿易条件で決まること

インコタームズは、売主と買主の間で「どこまでの費用を誰が払い、どこから先の事故は誰の責任か」を共通の記号で決めるためのルールです。

まずは、インコタームズで決まることと決まらないことを整理しておきましょう。

インコタームズ2020の11規則

インコタームズとは、国際商業会議所(ICC)が定める貿易取引条件の解釈に関する国際規則のことです。現在使われている2020年版には11の規則があり、あらゆる輸送手段に使える7規則(EXW、FCA、CPT、CIP、DAP、DPU、DDP)と、船での輸送に限って使う4規則(FAS、FOB、CFR、CIF)に分かれています。

各規則では、貨物の引渡し地点と危険の移転点、運送の手配と運賃の支払い、保険の手配と保険料の支払い、輸出入の通関と費用の負担区分が決められています。英字3文字で条件を指定するだけで、こうした細かい役割分担を一度に合意できるのが利点です。

インコタームズで決まらないこと

インコタームズが定めるのは、費用と危険の分担、通関などの手続きの分担です。代金の金額や支払方法、貨物の所有権がいつ移るか、契約違反があったときの扱いは定めていません。これらは売買契約書や発注書で別に決める必要があります。

また、インコタームズは法律や条約ではありません。使う場合は、契約書や見積書に「FOB Shanghai Incoterms 2020」のように、規則名、場所、版を明記しておくことが大切です。版を書かないと、どの解釈に従うのかで認識がずれるおそれがあります。

「費用の分かれ目」と「危険の分かれ目」は同じとは限らない

インコタームズを読むときに押さえたいのが、費用の負担と危険の移転は必ずしも同じ地点ではないという点です。たとえばCIFでは売主が日本の港までの運賃と保険料を払いますが、輸送中の事故の責任は中国の積出港で本船に積んだ時点で買主に移ります。

つまり、CIFで買った貨物が海上で損傷した場合、運賃は売主が払っていても、損害を受けるのは買主です。そのため買主は、売主が手配した保険の内容で十分かどうかを確認しておく必要があります。

中国輸入でよく使われるFOB・CIF・EXW・DDPの違い

中国輸入でよく目にする4つの条件は、売主の負担がEXW、FOB、CIF、DDPの順に重くなり、そのぶん見積もりの単価に含まれる費用も増えていきます。

それぞれの条件で、買主である日本側が何を手配する必要があるのかを見ていきましょう。

EXW(工場渡し):買主の負担が最も大きい条件

EXWとは、売主が自社の工場や倉庫で貨物を引き渡した時点で、売主の義務が終わる条件です。中国国内の輸送、中国側の輸出通関、国際輸送、日本の輸入通関まで、すべて買主が手配します。

単価は最も安く見えますが、中国側の輸出通関を日本の買主が直接行うのは難しいため、実際には現地の代行業者やフォワーダー(国際輸送の手配業者)に依頼することになります。工場出しの単価だけで他の条件の見積もりと比べないよう注意しましょう。

FOB(本船渡し):中国輸入で基本となる条件

FOBとは、売主が中国の積出港で、買主が手配した船に貨物を積み込むまでを担当する条件です。中国国内の輸送と輸出通関は売主、海上運賃・保険・日本の輸入通関は買主が負担し、危険は本船に積んだ時点で買主に移ります。

買主が自分で船会社やフォワーダーを選べるため、運賃を比較したり、複数の工場の貨物をまとめて運んだりしやすいのが利点です。なお、FOBは船での輸送に使う条件です。ICCはコンテナ貨物には運送人に引き渡した時点で危険が移るFCAの利用を勧めているため、取引の形に合わせて条件を選びましょう。

CIF(運賃保険料込み):運賃と保険は売主、危険は積出港で移る

CIFとは、売主が日本の仕向港までの海上運賃と保険料を負担する条件です。日本の輸入通関や港から倉庫までの国内輸送は買主の負担です。前の章で触れたとおり、危険の移転点はFOBと同じ積出港です。

インコタームズ2020では、CIFで売主が掛ける保険は、補償範囲の狭い協会貨物約款(C)以上でよいとされています。一方、輸送手段を問わないCIPでは、補償範囲の広い協会貨物約款(A)が求められます。CIFで取引する場合は、補償範囲と保険金額を確認し、不足があれば買主側で追加の保険を検討しましょう。

DDP(関税込持込渡し):売主がすべてを引き受ける条件

DDPとは、売主が日本の指定場所まで貨物を運び、日本の輸入通関を行い、関税や輸入消費税も納めたうえで引き渡す条件です。買主にとっては受け取るだけでよいため、手間は最も少なくなります。

ただし、DDPでは日本の輸入者として申告するのは原則として売主側です。海外の売主が日本で輸入申告を行うには、国内に住所のある税関事務管理人を選んで税関に届け出る必要があります。中国輸入で「送料・関税込み」とうたう輸送サービスを使う場合も、誰が輸入者になるのかを確認しておきましょう。

貿易条件と日本の関税・消費税の関係

日本の関税は、どの貿易条件で買ったかにかかわらず、輸入港に着くまでの運賃と保険料を含めた価格を基準に計算されます。

条件によって見積もりに含まれる費用が違うため、課税価格を正しく出すための考え方を押さえておきましょう。

課税価格はCIFに相当する価格が基準

税関の説明では、輸入貨物の課税価格は、買主が売主に実際に支払う価格に、その中に含まれていない輸入港までの運賃や保険料などを加えて計算するとされています。結果として、CIFに相当する価格が課税の基準になります。

そのため、FOBやEXWで買った場合は、買主が別に支払った海上運賃や保険料を足して課税価格を出します。CIFで買った場合は、運賃と保険料がすでに価格に含まれています。仕入れ値をもとに関税の目安を試算するときは、どの条件の価格なのかを先に確認しましょう。

DDPでは輸入者と消費税の扱いを確認する

輸入時には関税に加えて輸入消費税がかかり、通常は輸入者として申告し納付した事業者が、消費税の申告で仕入税額控除の対象にできます。DDPで売主が輸入者になる場合、買主側では輸入消費税を自社の控除に使えないことがあります。

また、税関は2023年10月から「貨物を輸入しようとする者」の考え方を明確にしており、取引の実態に合った者が輸入者として申告することが求められています。DDPを選ぶ場合は、輸入者が誰になるのか、税金の負担と記録がどう残るのかを、税関や税理士に確認しておくと安心です。

総額で比べるための手順

1. 各見積もりの貿易条件と、引渡しの場所を確認します。2. 条件ごとに、見積もりに含まれていない費用(中国国内の輸送、輸出通関、海上・航空運賃、保険、日本の通関手数料、港から倉庫までの配送)を書き出します。3. 不足分の費用をフォワーダーや代行業者に見積もってもらいます。4. 関税と輸入消費税の目安を加え、倉庫に届くまでの総額で比較します。

この手順で比べると、単価は高く見えるCIFやDDPのほうが総額では安い、あるいはその逆といった違いが見えてきます。輸送方法ごとの送料の考え方は、航空便と船便の違いをまとめた記事もあわせてご覧ください。

中国輸入で貿易条件を選ぶときの考え方

貿易条件は、自社で輸送と通関をどこまで管理したいか、取引の規模がどのくらいかによって選ぶのが基本です。

条件ごとの向き不向きと、契約で押さえておきたい点をまとめます。

輸送を自社で管理したいならFOB

継続的に仕入れる商品や、複数の工場から集めて運ぶ場合は、FOBで買って日本側でフォワーダーを選ぶ方法が向いています。運賃の比較がしやすく、船の予約や到着日も自社で把握できます。

一方で、船の手配が遅れると工場での引き渡しにも影響するため、工場の出荷予定とフォワーダーの予約を早めにすり合わせておく必要があります。

手間を減らしたいならCIFやDDP、ただし中身を確認

初めての輸入や小ロットの仕入れでは、手配の手間が少ないCIFやDDPを選ぶ方法もあります。ただし、運賃や保険の中身が見えにくく、到着後の港の費用や国内配送費が別途請求されることもあります。

CIFなら保険の補償範囲、DDPなら輸入者と税金の扱い、どちらの場合も到着後に発生する費用の範囲を、見積もりの段階で書面で確認しておきましょう。

契約書と発注書に書いておきたい項目

貿易条件を決めたら、規則名、場所(港や倉庫の名称)、版(Incoterms 2020)を契約書と発注書に明記します。あわせて、支払条件、出荷予定日、梱包の仕様、貨物に損傷があった場合の連絡方法と期限も決めておくと、トラブルの際に話が進めやすくなります。

工場との交渉では、単価だけでなく条件の変更も交渉材料になります。たとえばEXWの見積もりをFOBに切り替えてもらうと、中国側の輸出通関を工場に任せられます。

インコタームズは、費用の負担範囲と危険の移転点を決める共通のルールです。中国輸入では、FOBを基本に、自社の管理体制や取引規模に合わせてCIFやDDPを使い分けるのが一般的です。単価だけでなく、倉庫に届くまでの総額と、輸入者や保険の扱いまで確認したうえで条件を選びましょう。関税や輸入手続きの最新情報は、税関などの所管官庁で確認してください。

ECプランニング株式会社では、中国輸入代行と中国工場交渉支援を行っています。中国現地工場との直接交渉を通じて、見積もり条件の確認から輸送の手配、輸入、販売までを一貫して支援しています。中国からの仕入れ条件でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちらお電話:04-2000-2903

【Q&A】インコタームズと中国輸入についてのQ&A

Q1.FOBとCIFの違いは何ですか?

A.FOBは買主が海上運賃と保険料を払い、CIFは売主が日本の港までの運賃と保険料を払う条件です。どちらも、輸送中の事故の責任は中国の積出港で本船に積んだ時点で買主に移ります。

Q2.中国輸入ではどの貿易条件を選べばよいですか?

A.継続的に仕入れるならFOBで買い、日本側でフォワーダーを選んで輸送を管理する方法が一般的です。手間を減らしたい小ロットの仕入れではCIFやDDPも選択肢ですが、総額と輸入者の扱いを確認してから決めましょう。

Q3.DDPなら関税や消費税を気にしなくてよいですか?

A.DDPでは売主が関税と輸入消費税を納めるため、買主の手続きは少なくなります。ただし、輸入者が売主になると買主は輸入消費税を自社の仕入税額控除に使えない場合があるため、税理士などに確認しておくと安心です。

Q4.関税はFOB価格とCIF価格のどちらにかかりますか?

A.日本の関税は、輸入港までの運賃と保険料を含めたCIFに相当する価格を基準に計算されます。FOBで買った場合は、別に払った運賃や保険料を足して課税価格を出します。

Q5.インコタームズは契約書にどう書けばよいですか?

A.「FOB Shanghai Incoterms 2020」のように、規則名、場所、版を明記します。支払方法や所有権の移転はインコタームズでは決まらないため、契約書で別に定めておきましょう。

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