
OEMのサンプルから量産までの流れ|中国工場で失敗しない進め方
中国工場でOEM商品を作るときの、サンプル依頼から量産・出荷までの流れを解説します。サンプルの種類、仕様書と合格基準の決め方、量産前サンプルの承認、生産中と出荷…
検品の基準と場所を決めて、不良品の流出と返品コストを減らす
中国から商品を仕入れるときに、多くの担当者が悩むのが不良品の問題です。届いた商品に傷や汚れがあった、注文と色やサイズが違った、数が足りなかったといったトラブルは、中国輸入では珍しくありません。中小企業基盤整備機構の情報サイトでも、輸入ビジネスのトラブルの多くは品質に関するものだと紹介されています。
こうしたトラブルを減らすために欠かせないのが検品です。この記事では、中国輸入の検品の種類と確認項目、検品を中国現地と日本国内のどちらで行うか、検品代行の選び方と使い方、不良品が見つかったときの対応までを順番に解説します。
ECプランニングは、中国からの仕入れ・OEMから日々のEC運営業務までを一貫して支援する会社です。中国現地の工場やサプライヤーとの直接交渉を代行し、品質基準の共有を含めた継続的な管理を行います。
商品登録やページ制作、広告運用、在庫管理、カスタマーサポートまで、提案にとどまらず自ら手を動かして現場のオペレーションを回す実務力を強みとしています。運営代行やご相談内容の整理など、お気軽にお問い合わせください。
中国輸入で検品が欠かせないのは、仕入れ先と日本の買い手で品質の基準が違うことが多く、確認しないまま販売すると返品や評価の低下、さらには輸入者としての責任につながるためです。
まずは検品をしないことで起こりうる問題を整理しておきましょう。
中国の仕入れ先にとっては問題のない小さな傷や糸のほつれ、色のわずかな違いが、日本の購入者にとっては不良品と受け取られることがあります。基準のずれは仕入れ先の怠慢だけが原因ではなく、そもそも求める品質を伝えていないことから起きる場合も少なくありません。
そのため、検品は「届いたものを見る作業」ではなく、自社の品質基準を決め、それに照らして合否を判断する仕組みとして考えることが大切です。
不良品が購入者の手に渡ってから見つかると、返品の送料、交換品の発送、問い合わせ対応の手間がかかります。ECモールでは、低い評価やレビューが商品ページに残り、その後の販売にも影響します。
さらに、中国の仕入れ先に返品や交換を求める場合、日本からの国際送料や時間がかかり、交渉も難しくなります。不良品は早い段階で見つけるほど、対応のコストを抑えられます。
輸入した商品の欠陥によって購入者がけがをしたり、財産に損害が出たりした場合、日本の製造物責任法(PL法)では、輸入業者も製造業者等として責任を負う立場になります。JETROのQ&Aでも、被害者が海外の製造者を直接訴えるのは現実的に難しいため、輸入者が責任を問われるのが一般的だと説明されています。
検品は、こうしたリスクを減らす手段の一つです。電気製品や子ども向け製品など安全性が問われる商品では、PSEなどの法令に沿った確認やPL保険の加入もあわせて検討してください。法令の詳細や最新情報は、所管官庁で確認することをおすすめします。
検品は、すべてを確認する全数検品と一部を確認する抜き取り検品に分かれ、数量・外観・寸法・機能・付属品・梱包・表示を基準書に沿って確認します。
商品の特性と数量に合わせて、方法と項目を選びましょう。
全数検品とは、仕入れたすべての商品を1点ずつ確認する方法です。不良品を最も確実に取り除けますが、数量が多いと費用と時間がかかります。単価が高い商品や、不良がそのままクレームにつながりやすい商品に向いています。
抜き取り検品とは、ロットの中から無作為に一部を取り出して確認し、その結果でロット全体の合否を判断する方法です。国際規格ISO 2859-1に対応する日本産業規格JIS Z 9015-1では、AQL(合格品質限界)を使ってロットの大きさに応じた確認数と合否の判定数を決める仕組みが定められており、中国の工場との取引でもよく使われます。
検品では、主に次の項目を確認します。1. 数量:注文した品番、色、サイズごとの数が合っているか。2. 外観:傷、汚れ、変色、ほつれ、印刷のずれがないか。3. 寸法と重量:仕様書の許容差に収まっているか。4. 機能:電源が入る、開閉できる、部品がかみ合うなど、使える状態か。5. 付属品:説明書、部品、保証書などがそろっているか。6. 梱包と表示:パッケージの破損がなく、ラベルや日本語表示が正しいか。
においや手触り、組み立ての精度のように数値で表しにくい項目は、承認したサンプルと比べて判断します。
検品基準書とは、確認する項目、方法、合否の判断基準をまとめた書類のことです。たとえば「正面から30センチの距離で見て分かる傷は不良」「寸法は表示値の±2ミリ以内なら合格」のように、誰が見ても同じ判断になる書き方にします。
不良は、重大な不良(安全性や機能に関わるもの)、軽い不良(見た目の小さな傷など)のように重さで分け、それぞれ何個まで許容するかを決めておくと、抜き取り検品の判定がしやすくなります。基準書は仕入れ先にも事前に共有し、発注時の条件として合意しておきましょう。
不良品を日本に送らないためには中国現地での検品が有効で、日本国内での検品は販売前の最終確認として組み合わせるのが基本です。
それぞれの特徴と、検品代行の使い方を見ていきましょう。
中国現地での検品には、工場の出荷前に行う出荷前検品と、輸入代行会社の倉庫に商品が届いた段階で行う検品があります。どちらも、不良品を見つけた時点で仕入れ先に交換や手直しを求めやすく、不良品の分まで国際送料や関税を払わずに済むのがメリットです。
特に工場での出荷前検品は、残金の支払い前に行えば、不良が見つかったときの交渉材料になります。OEMなど同じ工場に継続して発注する場合は、検品結果を工場にフィードバックし、次の生産で改善してもらう流れを作りましょう。
日本国内での検品は、輸送中の破損や、日本の販売ルールに沿っているかの確認に向いています。日本語の表示やモールの納品ルールに合わせたラベル貼り、セット組みなどの作業と一緒に行えるのも利点です。
ただし、国内で不良が見つかっても、中国の仕入れ先に返品するには時間と送料がかかります。不良品の扱いを事前に決めていない場合は、損失を自社で負担することになりかねないため、現地検品と組み合わせて考えることが大切です。
現地に担当者がいない場合は、検品代行を利用する方法があります。選ぶときは、1. 対応できる検品の範囲(数量確認のみか、外観・機能まで見るか)、2. 報告の方法(写真や動画の有無、報告までの日数)、3. 不良品が見つかったときに仕入れ先と交渉してくれるか、4. 料金の内訳、の4点を確認しましょう。
依頼するときは、検品基準書と承認サンプルの写真を渡し、合否の判断に迷うものは写真で確認してから判断する流れにします。「よしなに見てください」と任せるだけでは、自社が求める基準で検品されないことがあります。
不良品への対応で大切なのは、見つかってから交渉を始めるのではなく、発注前に交換・返金・費用負担のルールを仕入れ先と取り決めておくことです。
対応の手順と、次回以降の不良を減らすための工夫を整理します。
不良品が見つかったら、次の順番で対応します。1. 不良の内容を写真や動画で記録し、数量をまとめます。2. 検品基準書のどの項目に当たるかを示して、仕入れ先に連絡します。3. 交換、手直し、返金、次回発注での補填など、対応方法を合意します。4. 合意した内容を文書で残し、対応の結果を確認します。
感情的に責めるよりも、事実と基準を示して対応を求めるほうが、話がまとまりやすくなります。
取引条件には、検品の方法と基準、不良率がどの程度を超えたら再検品や作り直しを求めるか、不良品の交換や返金の方法、再検品や返送にかかる費用の負担者を入れておきましょう。
支払いを前払いで全額済ませてしまうと、不良が出たときの交渉が難しくなります。初めての取引先では、少量から始める、残金の支払いを検品の合格後にするなど、リスクを抑える工夫も有効です。
検品は不良品を取り除く作業ですが、不良そのものを減らすには、仕入れ先と原因を共有し、改善を続けることが欠かせません。不良の種類と発生率を記録しておくと、どの工程で問題が起きやすいかが分かり、仕入れ先の比較にも役立ちます。
改善が見られない仕入れ先については、取引先の見直しも選択肢になります。品質と納期を安定させるには、定期的に仕入れ先とやり取りし、信頼関係を築いていくことが大切です。
中国輸入の検品は、不良品の流出を防ぎ、返品や評価の低下、輸入者としての責任のリスクを減らすための大切な仕組みです。全数検品と抜き取り検品を使い分け、検品基準書で合否の基準を明確にしたうえで、中国現地での検品と日本国内での検品を組み合わせることが、品質を安定させる近道です。
ECプランニングは、中国輸入代行とOEM製造支援を通じて、中国現地工場との直接交渉から仕入れ、販売までを一貫して支援しています。検品の基準づくりや仕入れ先とのやり取りに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
A.数量、外観(傷・汚れ・色)、寸法と重量、機能、付属品、梱包と表示が基本の確認項目です。項目ごとに合否の基準を検品基準書にまとめ、誰が見ても同じ判断になるようにしておきましょう。
A.単価が高い商品や、不良がクレームや安全上の問題につながりやすい商品は全数検品が向いています。数量が多く単価の低い商品では、AQLを使った抜き取り検品で費用と精度のバランスを取る方法がよく使われます。
A.不良品の分まで国際送料や関税を払わず、仕入れ先に交換を求めやすいのは中国現地での検品です。輸送中の破損や日本語表示の確認は日本国内で行うのが確実なため、両方を組み合わせるのが基本です。
A.不良の内容を写真と数量で記録し、検品基準のどの項目に当たるかを示して仕入れ先に連絡します。交換や返金、次回発注での補填などの対応を合意し、内容を文書で残しておきましょう。
A.製造物責任法(PL法)では、輸入業者も製造業者等に含まれ、商品の欠陥による損害について責任を負う立場になります。検品による品質確認に加えて、PL保険への加入も検討しておくと安心です。