
複数モールの在庫連携とは?売り越しとキャンセルを防ぐ仕組みと運用
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon・自社ECで同じ在庫を販売するときに起きる売り越しの原因と、在庫連携の仕組み(API連携・CSV連携)、システム…
売れる量の予測と安全在庫の計算を分けて考え、年末の欠品と売れ残りを両方減らす
2026年のブラックフライデーは11月27日です。そこからサイバーマンデー、12月のギフト需要、年内に届けてほしい駆け込み注文までが一続きになり、普段の数倍売れる商品が出る一方で、読みを外した商品は年明けに倉庫に残ります。主力商品が欠品すると、その日に失った売上は戻りません。かといって多めに積めば、保管料と値引きで利益が削られます。
読み終えたら、主力商品ごとに「年末の期間に何個あればよいか」と「いつ追加発注を出すか」を、計算した数字で決められるはずです。計算式は物流会社やEC支援企業の解説(2026年5月〜10月公開・更新)で共通して使われている基本形にそろえ、数字の例は説明のために作ったものです。
ECプランニングは、中国からの仕入れ・OEMから日々のEC運営業務までを一貫して支援する会社です。中国現地の工場やサプライヤーとの直接交渉を代行し、品質基準の共有を含めた継続的な管理を行います。
商品登録やページ制作、広告運用、在庫管理、カスタマーサポートまで、提案にとどまらず自ら手を動かして現場のオペレーションを回す実務力を強みとしています。運営代行やご相談内容の整理など、お気軽にお問い合わせください。
年末の在庫量は、期間中に売れる見込み数に、予測が外れたときのための安全在庫を足して決めるのが基本です。
この2つを混ぜて「去年の1.5倍くらい」と決めてしまうと、どこまでが読みで、どこからが保険なのかが後から検証できません。
まず、昨年の11月下旬から12月末までの日別の出荷数を商品ごとに出します。次に、今年のセール参加の有無、広告の予算、価格の変更を書き出し、昨年と条件が違う部分を数字に反映させます。たとえば昨年はブラックフライデーに参加しておらず、今年は参加するなら、その期間だけ別に見積もる必要があります。
新商品で実績がない場合は、似た価格帯と用途の既存商品を基準にします。基準がないまま大量に発注するのは避けてください。最初は控えめに入れ、売れ行きを見て追加する前提で、追加発注のリードタイムを先に確認しておくほうが安全です。
安全在庫とは、需要が予測より多かったり、入荷が遅れたりしたときに、欠品を防ぐために上乗せしておく在庫のことです。予測をどれだけ丁寧に作っても、実際の注文は日によって上下します。そのぶれに備える量を、勘ではなく計算で決めるのが安全在庫の考え方です。
入荷までの日数(リードタイム)が長い商品ほど、その間に需要がぶれる幅も大きくなります。STOCKCREWの解説では、リードタイムの目安を国内仕入れで3〜7日、海外仕入れで30〜60日としています。中国から輸入している商品は、国内仕入れの商品と同じ考え方では足りません。
安全在庫を厚くするほど欠品は減りますが、保管料と売れ残りのリスクは増えます。どこで折り合うかは、商品ごとの粗利と保管費用で変わります。
欠品で失う売上は「1日の平均販売数×販売単価×欠品した日数」で概算できます。1日20個、単価3,000円の商品が7日欠品すれば42万円です。これと、多めに積んだ分を年明けに値引きして売る費用を並べると、どちらに寄せるべきかが見えてきます。
安全在庫は「安全係数×1日の需要の標準偏差×√リードタイム」、発注点は「1日の平均需要×リードタイム+安全在庫」で計算します。
表計算ソフトがあれば、過去の日別出荷数から30分ほどで主力商品の分を出せます。
計算は次の順番で進めます。1. 過去30〜90日の日別出荷数を商品ごとに並べます。2. 平均(1日の平均需要)を出します。3. 標準偏差を出します(Excelなら STDEV.S 関数)。4. 仕入れ先に発注してから販売できる状態になるまでの日数(リードタイム)を確認します。5. 安全係数を決めて、安全在庫と発注点を計算します。
欠品していた日は、出荷数が0でも需要が0だったわけではありません。その日を含めたまま平均を出すと需要を小さく見積もってしまうので、欠品日は除いて計算します。
安全係数は、入荷までの間に欠品させない確率(サービス水準)から決まる数字です。統計の表から読み取る値で、サービス水準95%なら1.65、99%なら2.33がよく使われます。
99%を選ぶと安全在庫は95%のときの約1.4倍になります。全商品を99%にすると在庫は大きく膨らむため、次の章で説明するように商品の種類によって使い分けます。
通常期の1日の平均需要が20個、標準偏差が6個、リードタイムが9日の商品で計算してみます。サービス水準95%(安全係数1.65)なら、安全在庫は1.65×6×√9=約30個です。発注点は20×9+30=210個になり、在庫が210個を下回った時点で発注をかけます。
同じ商品が年末に通常の3倍売れると見込み、平均60個、標準偏差18個になったとします。安全在庫は1.65×18×3=約89個、発注点は60×9+89=629個です。通常期の210個のまま運用していると、発注した品が届く前に在庫が尽きます。年末は11月中に必ず計算し直してください。
毎日ではなく週1回などの決まった日に発注する場合は、次の発注日までの日数も需要のぶれにさらされます。そのため、計算に使う日数を「リードタイム+発注の間隔」にして、目標在庫を「1日の平均需要×(リードタイム+発注間隔)+安全在庫」とし、目標在庫から今の在庫を引いた数を発注します。
海外の工場に月1回まとめて発注しているなら、発注間隔は30日です。その分だけ年末の目標在庫は大きくなるので、資金繰りの計画と合わせて確認します。
欠品させない確率は、売上上位の商品ほど高く、季節品や動きの遅い商品ほど低く設定すると、在庫の総量を抑えられます。
全SKUを99%で守ろうとすると、年明けに残る在庫の大半は売れ行きの鈍い商品になります。
売上の大きい順に商品を並べ、上位から順にA・B・Cの3つに分けます(ABC分析)。STOCKCREWの解説では、サービス水準の目安をAが98〜99%、Bが95〜97%、Cが80〜90%としています。
年末限定のギフトセットや季節品は、年が明けると売れなくなります。こうした商品は通常の定番品より水準を下げ、売り切れたら「完売」と表示して終える判断も選択肢です。欠品しても翌月に売れる定番品とは、損失の性質が違います。
欠品率は、欠品で出荷できなかった受注件数を総受注件数で割って求めます。2,600件のうち26件が欠品なら1.0%です。商品の数を分母にする測り方もあるので、社内でどちらを使うか決めておきます。
11月中は週に1回、主力商品の欠品率と在庫日数を確認してください。予測より明らかに売れている商品は、その時点の実績で標準偏差を計算し直し、追加発注の量を決めます。
在庫の数が合っていても、出荷が追いつかなかったり、複数のモールで在庫数がずれていたりすると、結果として欠品やキャンセルが起きます。
計算した在庫を売上に変えるには、出荷と表示の準備も同時に進めます。
段ボールや緩衝材、出荷作業の人員、発送代行会社の受託枠は、繁忙期の直前には確保しにくくなります。STOCKCREWの年末商戦向けの解説でも、出荷量を増やす手段を10月までに決めておくことが勧められています。まだ決まっていない場合は、今週中に発送代行の担当者へ12月の出荷予定数を伝えてください。
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonなど複数のモールで同じ在庫を売っている場合は、在庫連携の反映間隔も確認します。セールで注文が集中すると、反映の遅れがそのまま売り越しになるからです。
年内に届けられる注文の受付締切は、配送会社の混雑を見込んで余裕を持たせて決めます。沖縄・離島などは届くまでの日数がぶれやすいので、別に締切を設けると問い合わせを減らせます。
締切と年始の出荷再開日は、商品ページ、カート付近、注文完了メールの3か所に書いておきます。ページだけに書いても、読まれないまま注文されることがあるからです。
どれだけ計算しても、一部の商品は残ります。1月の初売りで値引きするのか、福袋に組み込むのか、翌年まで保管するのかを、年末の発注を確定する時点で決めておくと、残った在庫の判断が早くなります。
90日以上出荷のない在庫は、保管料がかかり続けるだけの在庫になっていないか確認する目安になります。年明けの棚卸しで該当する商品を一覧にし、来年の発注量の計算に反映させてください。
まずは売上上位10商品について、過去90日の日別出荷数を表にし、安全在庫と発注点を出してみてください。11月の前半にこの数字があれば、追加発注が間に合うかどうかを今のうちに判断できます。
ECプランニングは、楽天市場・Yahoo!ショッピングの運営代行や中国からの仕入れを、提案だけでなく実務まで手を動かして支援しています。在庫計画と仕入れのスケジュールをまとめて見直したい場合は、お気軽にご相談ください。
A.安全在庫は「安全係数×1日の需要の標準偏差×√リードタイム(日)」で計算します。安全係数は欠品させない確率を95%にするなら1.65、99%なら2.33が目安です。
A.発注点は「1日の平均需要×リードタイム(日)+安全在庫」です。在庫がこの数を下回った時点で発注すれば、入荷までの間に欠品する確率を設定した水準に抑えられます。
A.仕入れ先のリードタイムから逆算します。国内仕入れなら11月中の追加発注でも間に合う場合がありますが、海外から輸入する商品は30〜60日かかることがあるため、すでに発注済みであることが前提になります。
A.STOCKCREWの解説では、定番品やリピート品で1%以下、主力商品で0.5%以下が目安とされています。季節品や限定品は、売り切りを前提にもっと高い欠品率を許容する考え方もあります。