
中国輸入の関税と消費税の計算方法|課税価格・簡易税率・端数処理の基本
中国輸入でかかる関税と輸入消費税の計算方法を、課税価格(CIF)の考え方、少額貨物の簡易税率、1万円以下の免税、端数処理の順に解説します。原価計算や価格設定の前…
関税率はHSコードで決まります。番号の調べ方と、迷ったときの事前教示の使い方を整理
中国から商品を輸入するとき、関税がいくらかかるのかは、その商品がどの「HSコード」に分類されるかで決まります。ところが、同じような商品でも素材や用途によって番号が変わることがあり、仕入れ前の原価計算で想定していた税率と、実際の通関で適用された税率が違っていた、という相談は少なくありません。
この記事では、HSコードと日本の輸入申告で使う9桁の統計品目番号の関係を整理したうえで、実行関税率表を使った調べ方の手順、分類に迷ったときに使える税関の「事前教示制度」の照会方法と回答の扱い、照会の前に準備しておきたい資料を解説します。制度の内容は2026年10月時点で税関が公表している情報をもとにしています。
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HSコードとは、輸出入される商品を国際的に共通のルールで分類するための番号で、日本の関税率はこの番号ごとに定められています。
まずは、HSコードと日本で使う9桁の番号の関係、輸入で番号が重要になる理由を整理します。
HSコードは「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約(HS条約)」にもとづく分類番号です。日本の関税率表もこの条約にもとづいて作られています。番号は大きな分類から順に、2桁の「類」、4桁の「項」、6桁の「号」と細かくなっていき、4桁と6桁の番号がHSコードと呼ばれます。
6桁までは国際的に統一されていますが、その先は各国が独自に細分しています。日本の輸入申告では、6桁の号に3桁の統計細分を加えた9桁の「統計品目番号」を使います。税関の説明では、りんごを例に「08(類)→0808(項)→0808.10(号)→0808.10-000(統計品目番号)」という構成が示されています。
輸入品に課される関税率は、9桁の統計品目番号ごとに決められています。そのため、番号が一つ違うだけで、関税がかからない商品と数%の関税がかかる商品に分かれることがあります。関税は輸入消費税の計算のもとにもなるため、分類の違いは仕入れ原価全体に影響します。
また、関税率表の分類は、経済連携協定(EPA)の特恵税率が使えるかどうかの判断や、ほかの法令による確認が必要かどうかの目安にもなります。番号を正しく把握しておくことは、税額だけでなく、通関で求められる書類を前もって準備するためにも役立ちます。
中国の仕入れ先が輸出書類に記載したHSコードは、6桁までは日本と共通の体系ですが、7桁目以降は中国の国内区分です。日本の9桁の統計品目番号とは一致しないため、そのまま輸入申告に使うことはできません。
さらに、分類は輸入国の税関が判断するものなので、6桁の部分であっても、仕入れ先の判断と日本の税関の判断が異なる場合があります。仕入れ先の番号は参考情報として受け取り、日本の輸入統計品目表で確認し直すことが大切です。
HSコードは、税関のホームページで公開されている輸入統計品目表(実行関税率表)を使い、大きな分類から順に絞り込んでいくことで調べられます。
ここでは、調べる手順と、判断に迷いやすいポイントを紹介します。
1. 輸入統計品目表(実行関税率表)を開き、全21部97類の表題を手がかりに、商品が含まれそうな「類」を選びます。表題はあくまで目安です。
2. その類の中から、4桁の「項」を探します。
3. 項の中で、6桁の「号」を探します。号は項をさらに細かく分けたものです。
4. 号の右側にある3桁の細分を確認し、9桁の統計品目番号を確定します。細分がない場合は「000」になります。
5. 最後に、部注・類注と「関税率表の解釈に関する通則」に照らして、選んだ番号で正しいかを確認します。品名が似ているだけで判断しないことが大切です。
各項の最後の号は「その他のもの」となっていることが多く、それより前の号に当てはまらない商品がここに入ります。最初から「その他のもの」を選ぶのではなく、上から順に当てはまる号がないかを確認してから判断しましょう。
また、類の冒頭にある「注」には、その類に含まれるもの、含まれないものが書かれています。素材の組み合わせでできた商品や、複数の機能を持つ商品は、注や通則によって分類が決まることがあります。税関のホームページで公開されている関税率表解説や分類例規、過去の事前教示の回答事例も参考になります。
分類に迷いやすいのは、素材が複数ある商品(布と樹脂を組み合わせた雑貨など)、セット商品、電気を使う雑貨、用途が複数ある商品などです。同じ「収納ケース」でも、主な素材がプラスチックか、紡織用繊維か、金属かによって類が変わることがあります。
調べるときは、見た目の名前ではなく「何でできているか」「どういう仕組みで動くか」「何に使うか」に分けて整理すると、該当する類を探しやすくなります。それでも候補が複数残る場合は、無理に自己判断せず、次に紹介する事前教示制度を使うことを検討しましょう。
事前教示制度とは、輸入を予定している貨物の関税率表上の分類や関税率を、輸入前に税関へ照会して回答を受けられる制度です。
照会の方法によって回答の扱いが変わるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
事前教示の照会は、輸入予定地を管轄する税関などに対して行います。原則は文書による照会で、「事前教示に関する照会書(税関様式C第1000号)」に見本などの資料を添えて提出します。このほか、税関が用意している照会フォームを使ったEメールでの照会や、電話・窓口での口頭の照会もできます。
税関の説明では、Eメールでの照会は原則としてEメールで回答され、一定の条件を満たす場合は文書照会に準じた扱いに切り替えられるとされています。口頭の照会は手軽ですが、その回答は輸入申告の審査で尊重される取り扱いにはなりません。
税関の案内では、品目分類についての文書照会には、受理後原則として30日以内(行政機関の休日を除く)に回答するとされています。文書で受けた回答は、原則として発出から3年間、輸入申告の審査で尊重されます。輸入申告の際には、交付された回答書を添付します。
ただし、照会した内容と実際の貨物が異なる場合や、法令の改正で取り扱いが変わった場合などは、有効期間内でも尊重されません。HS品目表は数年ごとに改正されており、次の改正は2028年1月の発効が予定されています。また、文書回答は原則として税関のホームページで公開されますが、正当な理由があれば最長180日の非公開期間を申し出ることができます。
文書で受けた回答の分類について再検討を求めたい場合は、「意見の申出」ができます。期限は、回答書の交付または送達があった日の翌日から2か月以内です。
なお、事前教示の回答のうち、輸入消費税などの適用区分やほかの法令の適用の有無に関する部分は参考扱いとされ、意見の申出の対象にもなりません。制度の細かな条件は変わることがあるため、最新情報は税関のホームページや税関相談官で確認してください。
事前教示をスムーズに受けるには、商品の材質・成分・製法・機能・用途を具体的に説明できる資料を、仕入れ先から集めておくことが欠かせません。
ここでは、照会前に準備したい情報と、中国の仕入れ先とのやりとりのポイントを紹介します。
税関の案内では、照会には製法、性状、成分割合、機能、用途などの詳細な情報が必要で、品名だけや写真だけでは回答できないとされています。照会の前に、次の情報をそろえておきましょう。
1. 商品名、型番、仕様書やカタログ。2. 材質と、その構成割合(重量比など)。3. 製造方法と、加工の工程。4. 動作の仕組みや機能(電気を使う場合は電源や出力も)。5. 主な用途と使用方法。6. 見本または、全体と細部が分かる写真。
材質の構成割合や製法などは、販売ページやカタログだけでは分からないことが多いため、仕入れ先に直接確認する必要があります。サンプルを依頼する段階で、仕様書や材質の内訳もあわせて出してもらうよう依頼しておくと、後から慌てずに済みます。
仕入れ先からの回答が中国語の場合は、日本語に訳して内容を整理し、どの部分の素材がどれだけを占めるのかを明確にしておきましょう。仕様が途中で変わると分類も変わる可能性があるため、量産前に最終仕様を確認し直すことも大切です。
番号が確定したら、その税率をもとに関税と輸入消費税を含めた仕入れ原価を計算し、販売価格や利益の見込みを立てます。新商品を継続して輸入する場合は、文書による事前教示を受けておくと、毎回の輸入で分類の判断に迷うことが少なくなります。
実際の輸入申告は通関業者に依頼するのが一般的です。調べた番号や事前教示の回答書を通関業者と共有しておくと、申告内容の確認がスムーズになります。ECプランニングの中国輸入代行では、中国の仕入れ先との仕様の確認から、輸入の手配、販売までを一貫して支援しています。
中国輸入の関税率は、商品のHSコードによって決まります。日本の輸入申告では、世界共通の6桁に3桁の国内細分を加えた9桁の統計品目番号を使うため、仕入れ先が示した番号をそのまま使わず、輸入統計品目表で確認し直すことが大切です。
分類に迷う商品は、税関の事前教示制度を活用すれば、輸入前に分類と税率を確かめられます。材質、成分割合、製法、機能、用途などの情報を仕入れ先から集めておくと、照会も原価計算もスムーズに進みます。制度や税率は改正されることがあるため、最新情報は税関で確認してください。
A.HSコードは国際条約で定められた6桁までの世界共通の分類番号です。統計品目番号は、日本がそれに3桁の国内細分を加えた9桁の番号で、輸入申告ではこの9桁を使います。
A.そのままは使えません。7桁目以降は国ごとに異なり、分類は輸入国の税関が判断するため、日本の輸入統計品目表で確認し直す必要があります。
A.税関の案内では、品目分類の文書照会には受理後原則として30日以内に回答するとされています。資料が不足していると時間がかかることがあるため、照会前に情報をそろえておきましょう。
A.文書による回答は、原則として発出から3年間、輸入申告の審査で尊重されます。ただし、照会内容と実際の貨物が違う場合や、法令の改正で取り扱いが変わった場合は尊重されません。
A.電話や窓口での口頭の回答は参考扱いで、輸入申告の審査で尊重される取り扱いではありません。継続して輸入する商品や税率の差が大きい商品は、文書での照会を検討しましょう。